5.セキスイ畳表とイ草畳表におけるダニの増殖実験報告書

1)セキスイ畳表とイ草畳表におけるダニの増殖実験

実験の名称:

セキスイ畳表とイ草畳表におけるケナガコケダニ増殖実験

検体:

  • セキスイ畳表
  • イ草畳表

供試虫:

ケナガコケダニ、Tyropagus purtrescentiae。1979年、名古屋市内採取、以後累代飼育中のもの。

実験方法:

 畳表を長さ1pに切り、これを5.0g、高さ6p、直径9pの腰高シャレーに入れ、水分含有量を調節するために水2.0mlを加えた。この中にダニのみ(這い出し個体)0.2gを入れ、ポリエチレンフィルムで蓋をした。温室25℃にて、1週間、2週間、4週間放置後、生ダニ数を観察した。
 生ダニ数の観察は、1pの長さに裁断した畳表をよく撹拌した後、実体顕微鏡(X20)で1視野をかえるごとに畳表を撹拌しなおし、6視野をカウントし、その合計数を記録した。

実験結果:

イ草とセキスイ畳表にダニを放置し、その増殖有無を見た結果を表1に示した。
実験は平成3年2月25日に開始し、3連区、すなわち各検体3つの腰高シャレーを並べて行った。

 

表1 セキスイ畳表およびイ草畳表におけるケナカコケダニ増殖結果
供試体
経過日数
各繰返実験の生ダニ数
生ダニ増減
1
2
3
合計
比率
セキスイ畳表
開始日
107
124
122
353
100%
1週間後
59
88
64
211
60%
2週間後
10
20
14
44
12%
4週間後
0
0
0
0
0%
イ草畳表
開始日
123
110
135
368
100%
1週間後
156
203
147
506
138%
2週間後
218
204
249
671
182%
4週間後
258
294
299
851
231%

 

考察:

イ草の畳表においてはケナガコナダニはよく増殖していた。これに対し、セキスイ畳表ではダニの増殖はみられず、徐々にその数は減少し、4週間後には生ダニは見当たらなかった。